豪議会、先住民に公式謝罪 「苦悩与えた」と会場に涙
2008.2.13 10:43
オーストラリア議会は13日、「白人社会への同化」を目的に、親子を強制隔離した過去の誤った政策で先住民アボリジニに「深い悲しみや苦悩を与えた」と、初めて公式に謝罪する決議を採択。ラッド首相は議場で決議を読み上げ、謝罪のスピーチをした。
歴代政府は1910-70年ごろ、白人とアボリジニの間に生まれた子どもを親から引き離し、施設や白人家庭で養育させた。約10万人ともされる被害者は「盗まれた世代」と呼ばれる。
首都キャンベラの議場には約100人のアボリジニが招かれたほか、屋外の大型特設スクリーンの前でも数千人の市民が謝罪決議を読み上げるラッド首相を見守った。
首相は「盗まれた世代に、崩壊させられた家族に、政府代表としておわびします」と謝罪。「最近、80代のアボリジニの女性と面会した。4歳の時にトラックで連れて行かれ、母親に2度と会えなかった。これが自分の身に起こったらと考えてほしい」と語ると、議場のアボリジニの人々が涙をぬぐった。
シドニーやメルボルンなど全国各地でもスピーチが大スクリーンで中継され、アボリジニの踊りや音楽などで「歴史的な日」を祝った。
アボリジニの人口は、オーストラリア全体の約2%の約45万人。(共同)
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