「日本がアジアの金融センターとしての地位を確保する可能性は残っている」
日本経済新聞の記事です.
理由は、「円の国際通貨としての優位性」や「家計の金融資産」が「1500兆円ある」こと.(別項参照)
しかし、日本には、税収の20倍を超える国・地方などの借金があり、この総額は「家計の金融資産」を超えています.したがって、この「家計の金融資産」が国の借金にあてられる時点がくるのは「可能性」ではなく、「現実」であるのが現状です.
すでに、年金の破綻・増税・社会福祉の切捨て・軍事予算などでの随意契約・官製談合などによる無駄使いや税金の私物・裏金化、企業/団体の政治献金による政党・政治家の腐敗、犯罪の増加、異常事件の多発など、表面のドル・円の為替比率では見えない「円の基盤の崩壊」が始まっています.
これでは、「アジアの金融センター」どころか、「円は、ドルとならんだ世界金融危機の発信源」としての可能性しかありません.円資産は、将来の生活の保障にはならないのです.
現に、日銀の総裁も、自分の金の一部をファンドに移し(2006年10月12日、参議院予算委員会で福井日銀総裁が証言)、その村上ファンドはお金とともにシンガポールに拠点を移しているのです.
このように、日銀総裁の財産の一部と国の財政情報が外国に拠点を移したファンドに流れ、ファンドの責任者は形式的に裁判にかけられても(せいぜい罰金を払うだけで、将来は、暑くはあっても、えびのおいしいシンガポールで、のんびりと暮らすことはできるし、そこからスウェーデンに行けば涼しくもあるし)、日銀総裁は今もそのイスにすわっている.
これが「偽(いつわり)」(公募で選ばれた「2007年の漢字」)といわれる日本の構造の正体の一つです.
財政は、国の重要な基礎の一つです.その財政が、税収(50兆円)の10分の1となる軍事費(5兆円)、税収の十数倍を超える国や地方などの借金(注1)、国の予算の数倍の特別会計(460兆円 注2)、これらの構造が「いつわりの姿」で国民に提示されています.
この背景にあるのが、「憲法軽視・無視の継続」です.
「安保でメシを食べている人たちや政党」は、「いつわりの財政構造」の上に、利権と権力でメシを食べています.彼らは、その立場を守るために、「国際協力・テロ対策・国益」などの口実で、敵を外に求め、(場合によっては、内閣官房長官や防衛大臣のように、UFOまでを持ち出して)、国民をだましてメシを食べることに努力しています.
その努力が、「憲法九条改正」という形で現れてきています.
それは、米国からの要求ということでもあり、まさに国際協力を実行しているわけです.
また、野党第1党もその地位にとってかわろうと、必死です.
最近では、米国の代わりに国連決議をダシに使って、憲法の禁じる「戦力」の海外派遣をしようとしています.
その「さそい」に与党がのって、憲法を恒久的に否定する「法律」や体制を作ろうと言い出すしまつです.
「外に敵をつくって、国民をだます」「国民をだまして、お金をもうける」これが、国と国民の師匠を自認した福沢諭吉の「教え」の一つです.
政府・与党と野党の一部は、その教えを忠実に守っていますが、国民までそれを守って「だまされている」必要があるのでしょうか? (年金と財政の破綻・円の価値下落で、ひどい目にあってはならないと思います)
(彼らには、私たちをだます権利はない
私たちは、彼らにだまされる義務はない
彼らは、私たちをだまし、場合によっては自分たちをだまし
「国際協力・貢献、国益」のだまし言葉で、だましつづける
「国民の生命と財産を守る」といいながら
国民の生命と財産を奪って、「日米安保でメシを食べ続ける」
彼らには、歴史のゴミ箱に入る権利と義務がある
私たちには、彼らを歴史のゴミ箱に入れる権利と義務がある)
注1:
国債と借り入れは880兆円(財務省 「国債及び借入金現在高」2007年3月末現在 http://www.mof.go.jp/gbb/1903.htm)
地方債 200兆円以上
「国の財政状況は夕張市よりも悪い」(2006年12月27日 財務省内部合同会議議事要旨 http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/gijiyosi/zaiseia/zaiseia181227.htm)
(夕張市は、約45億円財政規模に対して、負債(借金)は632億円、借金率は約14倍.国と地方全体では、大きな隠し借金を除いても、借金率は(880+200)÷50=21.6と20倍以上となっている.これは、終戦時の国の借金率(14倍)より大きい)
注2:
財務省主計局 2006年5月 特別会計Q&A http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/tokkai_qa1804/tokkai1804_2.pdf
(参考)
「ドルで見た目以上に円安だ」 伊藤隆敏東大教授
伊藤隆敏東京大学教授は現在の円相場の水準について「すごく安い」と指摘する。日米間で見ればインフレ格差の分だけ円は安くなっており、仮に1ドル=100円になってもかつての120円前後と同等の価値だとし、名目の対ドル相場だけを見ていては見誤るという。また、円の国際通貨としての優位性や1500兆円ある家計の金融資産など国内の市場といった潜在力を活用することで、日本がアジアの金融センターとしての地位を確保する可能性は残っていると述べた。朝刊連載「YEN漂流」のインタビューをより詳しく紹介する。
NIKKEI NET YEN漂流 インタビューから
コメント:0件/更新日:2008-01-11