仏の大手銀行、トレーダーの不正取引で巨額損失
【ダボス(スイス東部)=中村宏之】フランスの大手銀行、ソシエテ・ジェネラルは24日、男性トレーダーによる不正取引によって、約49億ユーロ(約7600億円)の損失を計上したと発表した。
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個人による不正としては、英金融大手のベアリングス社がトレーダーの投機失敗で倒産に追い込まれた1995年の事件などを上回り、史上最高額のスキャンダルになるとみられる。
同行によると、不正行為を行ったのはパリに勤務する30代の男性トレーダー。2007年から08年初めにかけて、権限を大幅に超える金額の株式先物取引を行い、損失を出した。トレーダーは、複雑な架空取引などで損失を隠していたという。不正行為は1月19~20日の調査で発覚し、トレーダーは解雇された。
同行は併せて、サブプライム問題で金融市場が混乱した影響で、07年10~12月期に20億5000万ユーロ(約3200億円)の損失を計上したことも発表した。07年の通期では6~8億ユーロの純利益を確保できるとしているが、不正取引による大規模な損失などを踏まえ、資本増強のために55億ユーロ(約8530億円)の増資を行う。
トレーダーや銀行員による巨額損失事件としては、ベアリング社のトレーダーがシンガポールでの先物取引の失敗で約1600億円の損を生じさせたケースのほか、95年秋に発覚した旧大和銀行ニューヨーク支店での米国債への投資失敗による約1100億円の損失、96年の住友商事の銅の不正取引事件での約2800億円の損失などがある。
今回はこうした額を上回っており、不正行為の防止対策がまたもや機能しなかった形だ。
(2008年1月25日01時28分 読売新聞)
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